本コラムは『ひとり情シスシリーズ』の第4回です。
従業員の入退社に伴うIT管理業務は、情シス担当者にとって多くの工数を要する作業です。アカウント発行・削除、ライセンス管理、端末設定など、煩雑化しやすい業務を効率化し、工数を削減するための具体的な方法と、SmartHRやMicrosoftEntra IDなどの活用事例について解説します。
目次
- 入退社対応で情シスが抱える業務と課題
- 入退社対応の工数が膨らむ主な理由
- 入退社対応の工数削減を実現する4つのアプローチ
- 入退社対応の効率化を支える代表的なツール
- 工数削減プロジェクトの進め方
- まとめ:入退社対応の工数削減は構造改革で実現する
絵で見る今回のコラム
入退社対応で情シスが抱える業務と課題
オンボーディングで発生する具体的なIT管理作業
入社に伴うIT管理業務では、端末のキッティング、アカウント・ライセンスの追加、アクセス権設定などが主な作業となります。
これらの作業は、雇用形態や部署によって必要なものが異なり、煩雑化しやすい傾向があります。
具体的には、PCやスマートフォンの初期設定、メールアドレスや各種業務システムへのアカウント発行、必要なソフトウェアライセンスの割り当て、部署や役職に応じたシステムへのアクセス権限付与など、多岐にわたります。
これらの作業を正確かつ迅速に行うことが、新入社員がスムーズに業務を開始するための鍵となります。
しかし、担当者のスキルや経験に依存する部分が大きく、マニュアルが整備されていない場合、作業品質にばらつきが生じやすくなります。
また、IT資産の管理台帳との連携が不十分な場合、どの従業員にどのIT資産が割り当てられているかの把握が困難になり、管理上の混乱を招く可能性も否定できません。
さらに、入社希望者の増加や、リモートワークの普及による端末配布方法の多様化など、情シス部門を取り巻く環境の変化も、これらの作業の複雑化を助長しています。
これらの課題に対して、効率的かつ確実な対応が求められています。
オフボーディングで発生する具体的なIT管理作業
退職に伴うIT管理業務では、アカウント・ライセンスの削除、端末の回収・リフレッシュ、データバックアップ、アクセス権の剥奪などが必要です。
特に、削除漏れはセキュリティリスクやライセンス費用の無駄につながるため、慎重な対応が求められます。
退職者のアカウント削除は、情報漏洩や不正アクセスを防ぐ上で最重要課題の一つです。
メールアカウント、各種SaaSのアカウント、社内システムへのアクセス権限などを、退職日までに確実に無効化または削除する必要があります。
これには、各システムへのログイン権限の剥奪だけでなく、過去のメールやデータのバックアップ、共有フォルダへのアクセス権限の管理なども含まれます。
また、会社から貸与されているPC、スマートフォン、タブレットなどのIT資産の回収も重要な業務です。
回収した端末は、データ消去、初期化、クリーニングを経て、次の従業員への貸与に備える必要があります。
この際、端末に保存されている機密情報や個人情報が適切に消去されているかどうかの確認も不可欠です。
さらに、退職者の所有していたライセンスの再割り当てや、利用停止に伴うコスト削減の検討も行われます。
これらの作業を滞りなく、かつセキュリティを確保しながら行うためには、事前の計画と確実な実行体制の構築が不可欠となります。
入退社対応の工数が膨らむ主な理由
1社あたりのSaaS利用数の急増
近年、業務効率化のために多くのSaaSが導入されています。
それに伴い、入退社時に各SaaSのアカウント管理や権限設定を行う必要が生じ、情シス担当者の負担が増加しています。
ビジネスの現場では、コミュニケーションツール、プロジェクト管理ツール、顧客管理システム(CRM)、人事管理システム(HRM)、経費精算システムなど、多種多様なSaaSが活用されています。
これらのSaaSは、それぞれ独立したID管理システムを持っていることが多く、従業員一人ひとりの入社・退社に合わせて、これらのSaaSアカウントの発行、無効化、権限変更、ライセンスの割り当て・解除といった作業が発生します。
例えば、新入社員が入社すれば、まずメールアカウント、チャットツール、社内ポータルへのアクセス権限を付与し、さらに所属部署に必要な業務アプリケーションへのアカウントを発行する必要があります。
退職者が出れば、これらのアカウントをすべて停止し、ライセンスを回収・再割り当てする作業が発生します。
SaaSの利用数が数個であれば手作業でも管理可能かもしれませんが、企業によっては数十、あるいは百を超えるSaaSを利用しているケースも珍しくありません。
このような状況下では、入退社が発生するたびに、情シス担当者は膨大な数のSaaSアカウントを個別に管理する必要に迫られ、その工数は加速度的に増加していくのです。
部署ごとの個別契約とシャドーIT
各部署が独自にSaaSを契約したり、IT部門の承認を得ずに利用したりするシャドーITの存在は、全体像の把握を困難にし、管理工数を増大させる一因となります。
本来、SaaSの導入や契約は、セキュリティポリシーやIT資産管理の観点から、IT部門が主導して行うべきものです。
しかし、業務のスピードを優先するあまり、あるいはIT部門への申請プロセスが煩雑であるといった理由から、現場の各部署が独自にSaaSを契約してしまうケースが見られます。
これが「シャドーIT」と呼ばれる現象です。
シャドーITが存在すると、IT部門は会社全体でどのようなSaaSが、どれくらい利用されているのか、その全体像を正確に把握することができなくなります。
従業員が入社・退職するたびに、IT部門が把握しているSaaSだけでなく、これらのシャドーITのアカウント管理も行う必要が出てきます。
しかし、シャドーITについては、アカウント情報や利用状況をIT部門が把握していないため、管理対象から漏れてしまう可能性が高まります。
結果として、退職者のアカウントが放置され、セキュリティリスクが増大したり、不要なライセンス費用が発生したりする原因となります。
また、部署ごとに異なるSaaSを利用している場合、入社者のオンボーディングプロセスも部署ごとに複雑化し、標準化が困難になります。
手作業による属人化とミスの発生
チェックリストの作成やアカウント設定などの作業を、担当者個人の経験や記憶に頼って手作業で行っている場合、担当者が不在の際に業務が滞ったり、ミスが発生しやすくなったりします。
入退社対応は、IT資産の管理、アカウントの発行・削除、アクセス権限の設定など、多岐にわたる作業が含まれます。
これらの作業が、特定の担当者の「勘」や「記憶」、あるいは長年使われている「Excelのチェックリスト」に依存している場合、その担当者が休暇や退職で不在になった際に、業務が停滞するリスクが生じます。
また、人間は誰しもミスを犯す可能性があります。
特に、類似した名前のアカウントを多数管理していたり、複雑な権限設定を行ったりする作業では、誤ったアカウントに権限を付与したり、削除漏れが発生したりするリスクが高まります。
このようなミスは、セキュリティインシデントや、業務遂行上のトラブルに直結する可能性があります。
さらに、作業手順が明確に文書化されていないと、担当者によって作業の進め方や確認項目にばらつきが生じ、一貫性を保つことが難しくなります。
この属人化とミスの発生しやすさは、情シス部門の負担を増大させるだけでなく、組織全体のセキュリティレベルや業務効率の低下を招く要因となります。
入退社対応の工数削減を実現する4つのアプローチ
アプローチ1:HRシステムを起点とした自動化
HRシステムを導入し、従業員情報とIT資産管理を連携させることで、入退社に伴うアカウント発行・削除などのプロセスを自動化・効率化できます。
HRシステムは、従業員の入退社、異動、氏名変更といった人事情報を一元管理する基幹システムです。
これらのHRシステムと、IT資産管理システムやID管理システムを連携させることで、入退社に伴うIT関連作業を大幅に自動化することが可能になります。
例えば、新入社員の入社手続きがHRシステムで完了すると、その情報が自動的にIT資産管理システムに連携され、必要なアカウントの発行や端末のキッティング指示が自動的に開始される、といった仕組みを構築できます。
退職者が出た場合も同様に、HRシステムで退職処理が行われたことをトリガーに、関連するITアカウントの無効化やライセンスの回収プロセスが自動的に実行されるようになります。
これにより、情シス担当者が個別に各システムにログインして作業を行う必要がなくなり、ヒューマンエラーのリスクも低減します。
クラウド型のHRシステムは、API連携機能が充実しているため、既存のIT管理ツールとの連携も比較的容易に行える場合が多いです。
このアプローチは、人事情報とIT管理の間の「情報の断絶」を解消し、入退社プロセス全体の効率化と正確性の向上に大きく貢献します。
アプローチ2:IDaaS/SSOによる一元管理
Microsoft Entra ID(旧Azure AD)などのIDaaS(Identity as aService)を導入し、SSO(シングルサインオン)環境を構築することで、ユーザーは1つのIDで複数のSaaSにアクセスできるようになり、管理者の負担が軽減されます。
IDaaSは、クラウドベースのID管理サービスであり、従業員の認証、認可、IDライフサイクル管理などを一元的に行います。
SSOは、IDaaSの代表的な機能の一つで、ユーザーが一度ログインするだけで、許可された複数のアプリケーションやサービスにアクセスできるようになる仕組みです。
このSSO環境を構築することで、従業員は利用するサービスごとに異なるIDとパスワードを覚える必要がなくなり、利便性が向上します。
情シス担当者にとっても、IDaaS上でユーザーアカウントを一元管理できるようになるため、入退社時のアカウント発行・削除作業が大幅に効率化されます。
新しい従業員が入社した場合、IDaaS上でアカウントを作成し、所属部署や役職に応じたアクセス権限を付与するだけで、その従業員は必要なSaaSにアクセスできるようになります。
逆に、退職者が出た場合は、IDaaS上の一つの操作で、関連するすべてのSaaSアカウントへのアクセスを無効化することが可能になります。
これにより、アカウント管理の漏れを防ぎ、セキュリティリスクを低減すると同時に、管理工数を劇的に削減することができます。
MicrosoftEntra IDは、多くのSaaSとの連携実績があり、企業規模や要件に応じて柔軟に導入できるソリューションです。
アプローチ3:SaaS統合管理プラットフォームの導入
SaaS統合管理プラットフォーム(SMP)を活用することで、利用中のSaaSの一元管理、権限設定の自動化、棚卸しなどが可能になり、入退社手続きの効率化を強力に推進できます。
SaaS統合管理プラットフォーム(SMP)は、企業が利用している全てのSaaSアプリケーションを一覧化し、その利用状況、契約情報、ユーザー権限などを一元的に管理するためのソリューションです。
近年、SaaSの利用が拡大し、管理が複雑化する中で、これらのプラットフォームの重要性が高まっています。
SMPを導入することで、まず、会社全体でどのSaaSが利用されているのか、誰が利用しているのか、といった「SaaSの見える化」を実現できます。
これにより、前述したシャドーITの発見にもつながります。
さらに、入退社時のアカウント発行・削除プロセスにおいて、SMPがハブとなり、各SaaSへの自動的な処理を指示することが可能になります。
例えば、新入社員の入社情報がHRシステムやIDaaSから連携されると、SMPが自動的にその社員に必要なSaaSアカウントの発行や権限付与を指示し、実行します。
退職者が出た場合も、SMPを通じて、利用していたSaaSアカウントの棚卸しと削除指示を自動で行うことができます。
これにより、個別のSaaS管理画面にアクセスする手間が省け、作業の効率化とミスの防止に繋がります。
ジョーシスなどのプラットフォームは、SaaSの棚卸し機能や、権限管理の自動化機能に強みを持っており、入退社対応の効率化に大きく貢献します。
アプローチ4:プロセス標準化とワークフロー設計
入退社手続きに関する一連のプロセスを標準化し、ワークフローを設計することで、誰が担当しても一定の品質で迅速に対応できるようになります。
ServiceNowやJiraServiceManagementのようなITSMツールも活用できます。
どんなに優れたツールを導入しても、それらを活用するためのプロセスが標準化されていなければ、入退社対応の効率化は限定的になります。
まずは、新入社員の入社から退職まで、IT関連で発生する一連のタスクを洗い出し、それらを標準的なプロセスとして定義することが重要です。
具体的には、「誰が」「いつ」「何を」「どのように」行うのかを明確にした、詳細な手順書やチェックリストを作成します。
さらに、これらの標準プロセスをITサービスマネジメント(ITSM)ツール上にワークフローとして実装することで、自動化や進捗管理を効率的に行うことができます。
ServiceNowやJiraServiceManagementといったITSMツールは、チケット管理機能はもちろん、複雑なワークフローの設計・実行、担当者への自動通知、進捗状況の可視化などをサポートします。
例えば、入社希望者がシステムに登録されると、自動的にIT部門にチケットが起票され、担当者はワークフローに沿って必要な作業を進めていくことができます。
各ステップで必要な承認プロセスなどもワークフローに組み込むことで、手戻りを防ぎ、迅速な対応を可能にします。
プロセスの標準化とワークフロー設計は、属人化の解消、ミスの削減、そして担当者が不在でも業務が滞らない体制の構築に不可欠なアプローチです。
入退社対応の効率化を支える代表的なツール
Microsoft Entra ID(旧Azure AD)
Microsoft Entra ID(旧AzureAD)は、Microsoftが提供するクラウドベースのIDおよびアクセス管理サービスです。
企業内のユーザーアカウントを一元管理し、様々なアプリケーションやサービスへの安全なアクセスを提供します。
特に、シングルサインオン(SSO)機能により、ユーザーは一度の認証で複数のMicrosoft365アプリケーション(Outlook、Teams、SharePointなど)や、連携可能なサードパーティ製SaaSにアクセスできるようになります。
これにより、ユーザーの利便性が向上するだけでなく、パスワード管理の負担も軽減されます。
情シス部門にとっては、ユーザーアカウントのプロビジョニング(作成・管理)とデプロビジョニング(削除・無効化)を効率的に行えるため、入退社時のIT管理工数を大幅に削減できます。
条件付きアクセス機能を利用すれば、ユーザーの場所、デバイス、アプリケーションなどの条件に基づいてアクセスを制御することも可能であり、セキュリティレベルの向上にも貢献します。
AzureADは、Microsoft製品との親和性が非常に高いですが、多数のSaaSアプリケーションとの連携もサポートしており、IDaaSソリューションとして多くの企業で利用されています。
入退社対応におけるアカウント管理の自動化・効率化を実現するための、基盤となるツールと言えるでしょう。
工数削減プロジェクトの進め方
ステップ1:現状の棚卸しと工数測定
入退社対応の工数削減プロジェクトに着手する最初のステップは、現状の入退社対応プロセスにおける全てのタスクを洗い出し、それぞれのタスクにどれくらいの工数がかかっているかを正確に測定することです。
具体的には、新入社員の入社時と退職時に発生するIT関連の作業項目をリストアップします。
例えば、PCやスマートフォンの貸与・回収、アカウントの発行・削除、各種SaaSへのアクセス権付与・剥奪、ソフトウェアのインストール、ネットワーク設定、トレーニング資料の提供など、考えられる全ての作業を網羅します。
次に、それぞれのタスクについて、担当者が実際にかかっている時間を測定します。
これは、アンケート調査、担当者へのヒアリング、作業ログの記録などを通じて行います。
単に「時間がかかる」という感覚だけでなく、具体的な数値として「〇〇の作業に平均〇時間かかる」といった形で把握することが重要です。
この段階で、特に工数がかかっているボトルネックとなっているタスクや、属人化している作業、ミスの発生しやすい作業などを特定します。
また、現在利用しているツールやシステム、そしてそれらの連携状況についても把握し、課題点を明確にします。
この現状把握と工数測定を丁寧に行うことで、どこに改善の余地があるのか、どのようなアプローチが最も効果的かを見極めるための、確かなデータに基づいた土台を築くことができます。
ステップ2:標準プロセスの設計
現状の棚卸しと工数測定で明らかになった課題を踏まえ、入退社対応における標準的なプロセスを設計します。
このステップでは、誰が担当しても一定の品質とスピードで対応できるよう、作業手順を明確化し、標準化することを目指します。
まず、入社者と退職者それぞれについて、IT関連のタスクを時系列に沿って整理し、最適なワークフローを設計します。
具体的には、各タスクの担当者、作業内容、必要なツール、確認事項、完了条件などを詳細に定義します。
例えば、「新入社員のアカウント発行」というタスクであれば、「HRシステムからの情報連携」「IDaaSでのアカウント生成」「メールアドレスと初期パスワードの設定」「SSO対象SaaSへの権限付与」といった具体的なサブタスクに分解し、それぞれの担当者と完了までの流れを明確にします。
この際、可能な限り自動化できる部分は自動化することを前提にプロセスを設計します。
また、承認フローが必要な場合は、誰が、いつ、どのような承認を行うのかを明確に定義します。
作成した標準プロセスは、必ずドキュメント化し、関係者全員がアクセスできるようにします。
これにより、担当者の異動や不在時でも、業務が滞りなく遂行できるようになります。
標準プロセスの設計は、将来的にITSMツールなどを導入する際の基盤ともなるため、非常に重要なプロセスです。
ステップ3:IDaaSとSaaS統合管理の導入
標準プロセス設計が完了したら、次にIDaaS(Identity as aService)やSaaS統合管理プラットフォーム(SMP)の導入を検討します。
これらのツールは、入退社対応におけるアカウント管理の自動化・効率化に大きく貢献します。
IDaaS(例:MicrosoftEntra ID)を導入することで、ユーザーアカウントを一元管理し、シングルサインオン(SSO)環境を構築できます。
これにより、入社時のアカウント発行や退職時のアカウント削除といった作業を、IDaaS上で一括して行うことが可能になり、大幅な工数削減につながります。
また、SaaS統合管理プラットフォーム(例:ジョーシス)は、企業が利用しているSaaSアプリケーション全体を「見える化」し、それらの利用状況や権限設定を一元管理します。
これにより、シャドーITの発見や、SaaSごとの棚卸し、権限設定の自動化などが可能になり、入退社時のアカウント管理をさらに効率化できます。
これらのツールの導入にあたっては、自社のSaaS利用状況、セキュリティ要件、既存システムとの連携可能性などを考慮し、最適なソリューションを選定することが重要です。
段階的に導入を進めることも可能であり、まずはIDaaSの導入から着手し、その後SMPを連携させる、といった進め方も考えられます。
これらのツールを効果的に活用することで、入退社対応におけるIT管理業務の効率とセキュリティレベルを格段に向上させることができます。
ステップ4:HRシステム連携の構築
工数削減プロジェクトの次のステップとして、HRシステムとIT管理システム(IDaaS、SaaS統合管理プラットフォームなど)との連携を構築します。
HRシステムは、従業員の入退社、異動、氏名変更といった人事情報を管理する基幹システムです。
このHRシステムに登録された情報をトリガーとして、IT関連の処理を自動化することで、入退社対応の効率は飛躍的に向上します。
例えば、新入社員の入社情報がHRシステムに登録されたら、その情報をAPIなどを通じてIDaaSに連携し、自動的にアカウントが発行されるように設定します。
退職処理がHRシステムで行われたら、その情報を受けてIDaaSやSaaS統合管理プラットフォームが、関連する全てのアカウントの無効化や削除を自動実行するように構築します。
これにより、情シス担当者が手作業で情報を入力したり、各システムにログインして操作したりする手間がなくなります。
ヒューマンエラーのリスクも大幅に低減され、より正確かつ迅速な対応が可能になります。
HRシステムとの連携を構築する際には、HRシステムのAPI仕様を確認し、IT管理システム側でデータを受け取って処理するための設計が必要です。
この連携が実現することで、入退社プロセス全体の自動化が加速され、情シス部門の工数削減に大きく貢献します。
ステップ5:継続改善とKPIモニタリング
入退社対応の工数削減プロジェクトは、ツールの導入やプロセスの設計・構築が完了したら終わりではありません。
継続的な改善と、効果測定のためのKPI(重要業績評価指標)モニタリングが不可欠です。
まず、導入したツールや設計したプロセスが、想定通りに機能しているか、期待した工数削減効果が得られているかを定期的に確認します。
KPIとしては、「入退社一人あたりのIT対応工数」「アカウント発行・削除のリードタイム」「ミスの発生件数」などが考えられます。
これらのKPIを継続的にモニタリングし、目標値との乖離がないかを確認します。
もし、想定よりも工数削減が進んでいない場合や、新たな課題が見つかった場合は、原因を分析し、プロセスの見直しやツールの設定変更、担当者への再教育など、改善策を講じます。
また、IT環境やSaaSの利用状況は常に変化するため、定期的にプロセスや利用ツールを見直し、最新の状態にアップデートしていくことが重要です。
従業員からのフィードバックを収集し、改善に活かすことも有効な手段です。
この継続的な改善サイクルを回していくことで、入退社対応の効率化を維持・向上させ、情シス部門の負担を最小限に抑え続けることができます。
まとめ:入退社対応の工数削減は構造改革で実現する
入退社対応の工数削減は、人手による運用を続けるだけでは限界があります。重要なのは、業務プロセスを見直し、標準化と自動化を進めることです。
そのためには、HRシステムを起点とした情報連携や、IDaaSによるアカウント管理、SaaS管理ツールによる権限管理などを組み合わせ、入退社業務を効率化する仕組みを構築することが重要です。
また、ツールを導入して終わりではなく、運用状況やIT環境の変化に合わせて継続的に改善していくことも欠かせません。こうした取り組みによって、情シス部門の負担を軽減し、より戦略的で付加価値の高い業務へリソースを振り向けられるようになるでしょう。
「攻めの情シス」を実現しませんか?
ひとり情シス体制では、日々の運用業務に追われ、DX推進や業務改善まで手が回らない企業も少なくありません。
アコードワークスでは、
情シス業務支援
Microsoft 365活用支援
Intune / Entra ID導入
AI・Copilot活用支援
セキュリティ対策支援
を通じて、IT担当者の負担軽減と企業成長をサポートしています。
ひとり情シスのお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
情シス業務でお困りではないですか?


