メールが送れない・届かない? Exchangeと迷惑メール、添付制限の解決策

コラム

本コラムは、中小企業の情報システム担当者向けに、日々発生するITトラブルや障害に対して「まず何を確認すべきか」「どこまで切り分ければよいのか」を体系的に解説する『中小企業のためのIT障害対応 実践シリーズ』の第6回です。
メールの送受信トラブルはビジネスにおいて深刻な影響を与えます。ExchangeServer利用時の送信問題、迷惑メールフィルターによる誤判定、添付ファイル制限など、原因は多岐にわたります。本記事では、メールが送れない・届かない状況を打破するための具体的な解決策を解説します。

目次

メールが送れない・届かない原因を特定する

ExchangeServerの接続と認証を確認する

ExchangeServerを利用している場合、まずサーバーへの接続状況と認証情報を確認しましょう。Outlookなどのメールクライアントでアカウント設定が正しいか、パスワードが期限切れになっていないかなどを確認します。社内ネットワークからの接続に問題がないか、ファイアウォール設定もチェックしましょう。特に、最近パスワードを変更した場合や、多要素認証を導入した場合には、メールクライアントの設定更新が必要となることがあります。パスワードの有効期限ポリシーも確認し、頻繁な変更が必要な場合は、その都度設定を見直すようにしましょう。また、モバイルデバイスでメールを受信している場合は、デバイス側の設定も確認してください。プロバイダーによっては、特定のポート番号を使用する必要がある場合や、SSL/TLSの設定が必須となっている場合があります。これらの設定が正しくないと、メールの送受信が正常に行えません。さらに、ExchangeServerのバージョンとメールクライアントの互換性も考慮する必要があります。古いバージョンのメールクライアントは、最新のExchangeServerと互換性がない場合があります。

APの設置場所:最適な場所を見つける

AP(アクセスポイント)の設置場所は、Wi-Fiの電波の届きやすさに大きく影響します。APを設置する際には、できるだけ障害物の少ない、見通しの良い場所を選ぶことが重要です。壁や家具、金属製の物体などは、電波を遮断したり、反射させたりする性質があるため、APの近くに置くと、電波の届きが悪くなることがあります。
APを設置する高さも重要です。一般的には、床から1〜2メートルの高さに設置するのが最適とされています。APを低い場所に設置すると、床や家具などに電波が遮られて、電波の届きが悪くなることがあります。
APの設置場所を検討する際には、Wi-Fiを使用する場所を考慮することも重要です。Wi-Fiを使用する場所の中心にAPを設置することで、より広い範囲に安定した電波を届けることができます。

迷惑メールフィルターの設定と学習状況をチェックする

受信側の迷惑メールフィルターによってメールが誤ってスパムとして認識されている可能性があります。迷惑メールフォルダを確認し、もし必要なメールが振り分けられていた場合は、迷惑メールではないと設定することで学習させることができます。また、ExchangeOnlineProtection(EOP)などの迷惑メール対策サービスの設定を見直すことも重要です。EOPの設定では、迷惑メールの判定基準を調整したり、特定の送信元からのメールを許可したり、拒否したりする設定が可能です。誤って迷惑メールと判定されているメールがある場合は、送信元のドメインやIPアドレスをセーフリストに追加することで、今後の誤判定を防ぐことができます。また、ユーザー自身が設定したルールによって、メールが特定のフォルダに移動されたり、削除されたりしている可能性も考慮しましょう。Outlookなどのメールクライアントでは、受信トレイのルールを設定することで、メールの自動振り分けや削除を行うことができます。これらのルールが意図しない動作をしている場合は、ルールの設定を見直す必要があります。

添付ファイルのサイズ制限とファイル形式を確認する

送信する添付ファイルのサイズがメールサーバーの制限を超えていないか確認してください。ExchangeServerやOutlookでは、添付ファイルのサイズ制限を設定できます。また、受信側が対応していないファイル形式の添付ファイルも、受信エラーの原因となることがあります。zip形式などで圧縮したり、ファイル共有サービスを利用するなどして、添付ファイルのサイズを小さくすることを検討しましょう。ExchangeServerのバージョンによってデフォルトの添付ファイルサイズ制限が異なるため、必要に応じて管理者に確認し、適切なサイズ制限を設定してもらう必要があります。また、添付ファイルの形式によっては、セキュリティ上の理由から受信側でブロックされることがあります。実行ファイル(.exe)やスクリプトファイル(.vbs)などは、マルウェア感染のリスクがあるため、特に注意が必要です。これらのファイルを送信する必要がある場合は、事前に受信側に連絡し、ファイル共有サービスなどを利用して安全に送信することを検討しましょう。さらに、添付ファイル名に特殊な文字が含まれている場合も、受信エラーの原因となることがあります。ファイル名を変更して再度送信を試みるか、受信側にファイル名の変更を依頼してみましょう。

送信ドメイン認証(SPF、DKIM、DMARC)の設定不備

SPFレコードの設定を確認する

SPF(SenderPolicyFramework)レコードは、送信元メールサーバーが正当なものであるかを認証する仕組みです。DNSサーバーにSPFレコードが正しく設定されているか確認し、自社のメールサーバーからの送信を許可するように設定してください。SPFレコードの設定ミスは、メールが受信拒否される原因となります。SPFレコードは、ドメインのDNS設定にTXTレコードとして追加します。SPFレコードには、送信を許可するメールサーバーのIPアドレスやドメイン名を記述します。複数のメールサーバーからメールを送信する場合は、すべてのメールサーバーをSPFレコードに含める必要があります。SPFレコードの構文は複雑であるため、設定ミスがないように注意が必要です。SPFレコードの検証ツールを利用して、設定が正しいか確認することをおすすめします。また、SPFレコードには、SoftFail(~all)とHardFail(-all)という2つのポリシーがあります。SoftFailは、SPFレコードに合致しないメールを迷惑メールとして扱うように推奨するポリシーであり、HardFailは、SPFレコードに合致しないメールを受信拒否するポリシーです。HardFailポリシーは、より厳格な認証を行うことができますが、設定ミスがあると正当なメールも受信拒否される可能性があるため、慎重に検討する必要があります。

DKIM署名の設定と検証を行う

DKIM(DomainKeysIdentifiedMail)は、メールに電子署名を付与することで、メールの改ざんを検知する仕組みです。DKIM署名が正しく設定され、検証されているかを確認してください。DKIMの設定により、メールの信頼性が向上し、迷惑メールと判定されるリスクを低減できます。DKIM署名は、メールサーバーで生成され、メールヘッダーに付与されます。受信側のメールサーバーは、DKIM署名を検証することで、メールが送信元ドメインから送信されたものであり、かつ改ざんされていないことを確認できます。DKIMを設定するには、まず公開鍵と秘密鍵のペアを生成します。公開鍵は、ドメインのDNS設定にTXTレコードとして追加します。秘密鍵は、メールサーバーに設定し、メール送信時に署名を生成するために使用します。DKIM署名の検証に失敗した場合、メールは迷惑メールとして扱われる可能性があります。DKIMの設定が正しく行われているか、定期的に検証することをおすすめします。DKIMの検証ツールを利用して、設定が正しいか確認することができます。また、DKIM署名に使用する鍵長は、1024ビット以上であることが推奨されます。

DMARCポリシーの設定とレポートの確認

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting&Conformance)は、SPFとDKIMの結果に基づいて、メールの取り扱いを決定するポリシーです。DMARCポリシーを正しく設定し、レポートを定期的に確認することで、不正なメール送信を検出し、対策を講じることができます。DMARCの設定は、ドメインの保護に不可欠です。DMARCポリシーは、SPFとDKIMの認証に失敗したメールをどのように扱うかを指定します。DMARCポリシーには、以下の3つのオプションがあります。

* none: 何もしない
* quarantine: 迷惑メールとして扱う
* reject:受信拒否する

DMARCレポートは、DMARC認証の結果をまとめたレポートです。DMARCレポートを定期的に確認することで、自社のドメインを偽装した不正なメール送信を検出し、対策を講じることができます。DMARCレポートは、XML形式で提供されます。DMARCレポートの解析ツールを利用して、レポートの内容をわかりやすく表示することができます。DMARCの設定は、ドメインの保護に非常に有効ですが、設定ミスがあると正当なメールも受信拒否される可能性があるため、慎重に検討する必要があります。DMARCの設定を段階的に進めることをおすすめします。

メールサーバーとネットワーク環境のトラブルシューティング

メールサーバーの負荷状況とリソース不足

メールサーバーのCPU使用率、メモリ使用量、ディスクI/Oなどを監視し、負荷状況を把握します。リソース不足が原因でメールの送受信が遅延したり、エラーが発生したりする場合があります。必要に応じて、サーバーのリソースを増強したり、不要なプロセスを停止したりすることで、負荷を軽減できます。メールサーバーの負荷状況は、パフォーマンスモニターなどのツールを使用して監視することができます。CPU使用率が常に高い状態が続く場合は、CPUの増強を検討する必要があります。メモリ使用量が不足している場合は、メモリの増設を検討する必要があります。ディスクI/Oがボトルネックになっている場合は、より高速なストレージに移行することを検討する必要があります。また、メールサーバーのログファイルを確認することで、リソース不足が原因で発生しているエラーを特定することができます。ログファイルには、エラーが発生した日時、エラーの種類、エラーが発生した原因などが記録されています。これらの情報を分析することで、問題の解決に役立てることができます。さらに、メールサーバーのバージョンが古い場合は、最新バージョンにアップグレードすることを検討してください。最新バージョンでは、パフォーマンスが向上している場合があります。

ネットワークの接続性とDNS解決の確認

ネットワークの接続状況を確認し、メールサーバーとの通信が正常に行われているかを確認します。pingコマンドやtracerouteコマンドを使用して、ネットワークの経路を確認することも有効です。また、DNSサーバーが正しく設定され、メールサーバーのIPアドレスを正しく解決できるかを確認してください。メールサーバーとの通信ができない場合、ファイアウォールが通信をブロックしている可能性があります。ファイアウォールの設定を確認し、メールサーバーとの通信を許可するように設定してください。DNSサーバーが正しく設定されていない場合、メールサーバーのIPアドレスを正しく解決できません。DNSサーバーの設定を確認し、正しいDNSサーバーを使用するように設定してください。また、DNSサーバーが応答しない場合、DNSサーバー自体に問題が発生している可能性があります。別のDNSサーバーを使用するように設定するか、DNSサーバーの管理者に連絡して問題を解決してください。さらに、ネットワークケーブルが正しく接続されているか確認してください。ケーブルが抜けていたり、断線していたりすると、ネットワークに接続できません。

メールソフトの設定とアップデート

Outlookなどのメールソフトの設定が正しいか確認します。特に、サーバーのアドレス、ポート番号、認証方式などが正しいかを確認してください。また、メールソフトが最新バージョンにアップデートされているかを確認します。古いバージョンのメールソフトには、セキュリティ上の脆弱性やバグが含まれている可能性があります。メールソフトの設定が誤っている場合、メールの送受信ができません。サーバーのアドレス、ポート番号、認証方式などを確認し、正しい設定を入力してください。メールソフトが最新バージョンでない場合、セキュリティ上の脆弱性やバグが悪用される可能性があります。メールソフトを最新バージョンにアップデートして、セキュリティを強化してください。また、メールソフトのプロファイルが破損している場合も、メールの送受信ができないことがあります。新しいプロファイルを作成して、問題を解決してみてください。さらに、メールソフトのアドオンが原因で問題が発生している可能性もあります。アドオンを無効にして、問題が解決するか確認してみてください。

Exchange Onlineの迷惑メール対策機能を活用する

Exchange Online Protection (EOP) の設定を見直す

Exchange Online Protection (EOP)は、ExchangeOnlineに標準搭載されている迷惑メール対策機能です。EOPの設定を見直し、迷惑メールフィルターの強度を調整したり、ブロックリストやセーフリストを適切に設定したりすることで、迷惑メールの誤判定を減らすことができます。EOPの設定は、Exchange管理センターから行うことができます。迷惑メールフィルターの強度を調整することで、迷惑メールの判定精度を向上させることができます。ブロックリストには、迷惑メールを送信してくる可能性のある送信元ドメインやIPアドレスを登録します。セーフリストには、信頼できる送信元ドメインやIPアドレスを登録します。また、EOPには、フィッシング詐欺対策機能やマルウェア対策機能も搭載されています。これらの機能を有効にすることで、より安全なメール環境を構築することができます。さらに、EOPのレポート機能を利用することで、迷惑メールの状況や、EOPのパフォーマンスを把握することができます。これらの情報を分析することで、EOPの設定を最適化することができます。

高度な脅威対策 (ATP) を導入する

高度な脅威対策(ATP)は、EOPに追加できるオプション機能で、より高度な迷惑メール対策を提供します。ATPを導入することで、標的型攻撃メールや、未知のマルウェアを含むメールを検出し、ブロックすることができます。ATPは、ビジネスメール詐欺(BEC)対策にも有効です。ATPには、セーフリンク、セーフ添付ファイル、フィッシング対策などの機能が含まれています。セーフリンクは、メールに含まれるURLを分析し、悪意のあるサイトへのアクセスをブロックします。セーフ添付ファイルは、メールに添付されたファイルを分析し、マルウェアが含まれている場合はブロックします。フィッシング対策は、フィッシング詐欺メールを検出し、ユーザーに警告を表示します。ATPの設定は、Exchange管理センターから行うことができます。ATPを導入することで、EOPだけでは防ぎきれない高度な脅威から組織を保護することができます。また、ATPのレポート機能を利用することで、検出された脅威の種類や、ATPのパフォーマンスを把握することができます。これらの情報を分析することで、ATPの設定を最適化することができます。

フィッシング詐欺対策とユーザー教育

フィッシング詐欺メールは、個人情報やクレジットカード情報を盗み取ることを目的とした詐欺メールです。フィッシング詐欺メールの手口は巧妙化しており、見分けるのが難しくなっています。従業員にフィッシング詐欺の手口を周知し、不審なメールに注意するように教育することが重要です。フィッシング詐欺メールの特徴としては、以下のような点が挙げられます。

* 緊急性を煽る内容
* 不自然な日本語
* 個人情報の入力を求める
* 身に覚えのない請求

従業員には、これらの特徴を周知し、不審なメールを受信した場合は、安易にリンクをクリックしたり、個人情報を入力したりしないように指導する必要があります。また、定期的にフィッシング詐欺対策のトレーニングを実施し、従業員の意識を高めることが重要です。さらに、メールセキュリティソフトを導入し、フィッシング詐欺メールを自動的に検出・ブロックすることも有効です。

まとめ:メールの送受信トラブルは多角的なアプローチで解決

Exchange環境でのメールトラブルは、設定、セキュリティ、ネットワークなど多岐にわたる要因が絡み合います。この記事で紹介した解決策を参考に、原因を特定し、適切な対策を講じることで、スムーズなメールコミュニケーションを実現しましょう。メールの送受信トラブルは、単一の原因だけでなく、複数の要因が複合的に影響している場合があります。そのため、トラブルシューティングを行う際には、多角的なアプローチで原因を特定し、それぞれの要因に対して適切な対策を講じる必要があります。例えば、メールが送信できない場合は、まずメールソフトの設定、ネットワーク接続、メールサーバーの状態などを確認し、問題がないか確認します。次に、送信ドメイン認証の設定(SPF、DKIM、DMARC)に不備がないか確認します。受信側の迷惑メールフィルターによってメールが誤ってスパムとして認識されている可能性も考慮し、受信側に確認を依頼します。このように、様々な角度から原因を特定し、対策を講じることで、メールの送受信トラブルを解決することができます。 また、ExchangeOnlineなどのクラウドサービスを利用している場合は、サービスプロバイダーのサポートも活用することで、より迅速な問題解決が期待できます。

弊社では、「トラブル対応が属人化している」「情シスの負荷を減らしたい」「情シス業務・ヘルプデスクのアウトソーシング」といった中小企業のIT運用を支えるサービスをワンストップで提供しています。
貴社のニーズに合わせて業務効率化や顧客対応自動化のご提案をさせていただきます。
お気軽にこちらよりお問い合わせください!

タイトルとURLをコピーしました