本コラムは、中小企業の現場で活用されるActive Directory(AD)について、実務で役立つ知識を段階的に学べる「AD実践シリーズ」の第9回です。
クラウドサービスの利用拡大に伴い、ID管理の重要性が増しています。MicrosoftのAzure Active Directory (Azure AD) とMicrosoft Entra ID は、どちらもIDとアクセス管理を提供するサービスですが、その違いを理解しているでしょうか?本記事では、AzureADとMicrosoft Entra IDの機能の違い、オンプレミスADとの連携、そして最適な使い分けについて徹底的に解説します。
目次
- Microsoft Entra IDとは?Azure ADからの進化
- オンプレミスADとの連携と使い分け
- Microsoft Entra IDの主要機能と活用事例
- まとめ:Active Directory監査ログでセキュリティを強化
Microsoft Entra IDとは?Azure ADからの進化
Microsoft Entra IDの概要
Microsoft Entra IDは、Azure ADを基盤として、より包括的なIDとアクセス管理を提供するクラウドサービスです。多要素認証(MFA)や条件付きアクセスなどの高度なセキュリティ機能に加え、多様なSaaSアプリケーションとの連携を容易にするSSO(シングルサインオン)機能も強化されています。具体的には、Azure ADの基本的なID管理機能(ユーザーとグループの管理、認証、認可)を包含しつつ、IDガバナンス、特権ID管理、アクセス管理、ID保護などの高度な機能が追加されています。これにより、組織はIDとアクセスをより効果的に制御し、セキュリティリスクを軽減できます。Microsoft Entra IDは、クラウドネイティブなID管理ソリューションであり、オンプレミス環境、マルチクラウド環境、およびハイブリッド環境全体で一貫したID管理を提供します。組織は、場所やデバイスに関係なく、すべてのリソースへの安全なアクセスを確保できます。また、Microsoft Entra IDは、Microsoftのエコシステムだけでなく、他の主要なクラウドプロバイダーやSaaSアプリケーションとも連携できるため、組織は既存のインフラストラクチャとシームレスに統合できます。
さらに、Microsoft Entra IDは、高度な分析と機械学習を活用して、異常なアクティビティや潜在的なセキュリティ脅威を検出します。これにより、組織はプロアクティブにセキュリティリスクを軽減し、ID関連のインシデントに迅速に対応できます。Microsoft Entra IDは、クラウド時代のID管理における複雑な課題を解決し、組織が安全かつ効率的にビジネスを推進できるように支援します。
Azure ADとの違い:Microsoft Entra IDで何が変わった?
Microsoft Entra IDは、AzureADの機能を拡張し、IDガバナンス、アクセス管理、ID保護といった包括的な機能を提供します。特に、特権ID管理やIDライフサイクル管理の強化により、企業全体のセキュリティ体制を向上させることができます。
Azure ADは、主にMicrosoftのクラウドサービス(Microsoft 365、Azureなど)へのアクセス管理に焦点を当てていましたが、Microsoft Entra IDは、より広範なID管理のニーズに対応するように設計されています。Microsoft Entra IDでは、IDガバナンス機能が強化され、IDのライフサイクル全体を管理し、アクセス権の付与、変更、取り消しを自動化できます。これにより、組織はコンプライアンス要件を満たし、内部統制を強化できます。
特権ID管理(PIM)もMicrosoft Entra IDの重要な機能です。PIMを使用すると、特権アカウントへのアクセスを時間制限付きで許可し、アクセス要求を承認ワークフローで制御できます。これにより、特権アカウントの悪用によるセキュリティリスクを軽減できます。さらに、Microsoft Entra IDは、ID保護機能を提供し、リスクベースのアクセス制御や適応型MFAなどの高度なセキュリティ対策を適用できます。
Microsoft Entra IDは、Azure ADの進化版として、より包括的なID管理ソリューションを提供し、組織がクラウド環境全体でIDとアクセスを安全かつ効率的に管理できるように支援します。
Microsoft Entra IDが解決する課題:クラウド時代のID管理
クラウドサービスの普及に伴い、ID管理は複雑化しています。Microsoft Entra IDは、オンプレミス環境とクラウド環境のIDを一元的に管理し、セキュリティリスクを軽減するとともに、管理者の負担を軽減します。
クラウド環境では、複数のクラウドプロバイダーやSaaSアプリケーションを使用することが一般的であり、それぞれに異なるIDとアクセス管理の仕組みが存在します。これにより、ID管理が分散化し、可視性が低下し、セキュリティリスクが増大します。Microsoft Entra IDは、これらの課題を解決するために、オンプレミスAD、Azure AD、およびその他のIDプロバイダーとの連携をサポートし、IDの一元管理を実現します。
Microsoft Entra IDを使用すると、組織はすべてのIDとアクセス権を一箇所で管理し、ポリシーを統一的に適用できます。これにより、セキュリティリスクを軽減し、コンプライアンス要件を満たすことができます。また、Microsoft Entra IDは、セルフサービス機能を提供し、ユーザーが自分でパスワードをリセットしたり、グループに参加したりできるようにします。これにより、管理者の負担を軽減し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
さらに、Microsoft Entra IDは、高度な分析とレポート機能を提供し、ID関連のアクティビティを監視し、潜在的なセキュリティ問題を特定できます。これにより、組織はプロアクティブにセキュリティリスクを軽減し、ID管理の効率を向上させることができます。Microsoft Entra IDは、クラウド時代のID管理における複雑な課題を解決し、組織が安全かつ効率的にクラウドサービスを利用できるように支援します。
オンプレミスADとの連携と使い分け
オンプレミスADの役割と限界
オンプレミスADは、長年にわたり企業内のID管理基盤として利用されてきました。しかし、クラウドサービスの利用拡大に伴い、オンプレミスADだけでは対応できない課題も増えています。例えば、リモートアクセス時のセキュリティ強化や、SaaSアプリケーションとの連携などが挙げられます。
オンプレミスADは、主に社内ネットワークに接続されたデバイスやアプリケーションへのアクセス管理に最適化されています。しかし、クラウドサービスの利用が増加するにつれて、オンプレミスADだけでは、すべてのIDとアクセスを管理することが困難になってきました。特に、リモートアクセス時のセキュリティ強化は、オンプレミスADだけでは難しい課題です。社外からのアクセスは、社内ネットワークに直接接続されていないため、オンプレミスADのセキュリティポリシーを適用することができません。
また、SaaSアプリケーションとの連携も、オンプレミスADの限界を示す例です。SaaSアプリケーションは、通常、独自のID管理システムを持っており、オンプレミスADとの連携には、複雑な設定や追加のソフトウェアが必要になる場合があります。さらに、オンプレミスADは、最新のセキュリティ脅威に対応するための高度な機能(例えば、リスクベースのアクセス制御や適応型MFA)を提供していません。
これらの課題を解決するために、オンプレミスADとクラウドベースのID管理ソリューション(例えば、Microsoft Entra ID)を連携させることが重要です。
Azure AD Connectによるハイブリッド構成
Azure AD Connectを使用することで、オンプレミスADとAzure ADを連携させることができます。これにより、既存のID情報をクラウド環境でも利用できるため、スムーズな移行が可能です。また、オンプレミスADとAzure ADの間でパスワード同期を行うことで、ユーザーの利便性を向上させることができます。
Azure AD Connectは、オンプレミスADのID情報をAzure ADに同期するためのツールです。このツールを使用すると、既存のユーザーアカウント、グループ、およびその他のADオブジェクトをAzure ADにコピーできます。これにより、ユーザーは、オンプレミスADで使用しているのと同じ資格情報を使用して、クラウドサービスにアクセスできます。
Azure AD Connectは、パスワード同期、パスワードハッシュ同期、およびフェデレーション認証の3つの認証方法をサポートしています。パスワード同期は、最も簡単な方法であり、オンプレミスADのパスワードハッシュをAzure ADに同期します。パスワードハッシュ同期は、パスワード同期よりも安全な方法であり、パスワードハッシュを暗号化してAzure ADに同期します。フェデレーション認証は、最も安全な方法であり、オンプレミスADの認証サーバーを使用してユーザーを認証します。
Azure AD Connectを使用すると、オンプレミスADとAzure ADの間でシームレスなハイブリッドID環境を構築できます。これにより、組織はクラウドサービスの利用を拡大しながら、既存のID管理インフラストラクチャを維持できます。
最適な使い分け:クラウドとオンプレミスの共存
オンプレミスADは、社内ネットワークに接続されたデバイスの認証に、Azure ADはクラウドサービスの認証に、といったように、それぞれの特性を活かした使い分けが重要です。また、Microsoft Entra IDの高度なセキュリティ機能を活用することで、クラウド環境におけるセキュリティを強化することができます。
オンプレミスADは、社内ネットワークに接続されたデバイスやアプリケーションへのアクセス管理に最適です。オンプレミスADは、社内ネットワーク内で高速かつ効率的な認証を提供し、既存のグループポリシーやその他のAD関連機能を活用できます。一方、Azure ADは、クラウドサービスへのアクセス管理に最適です。Azure ADは、SaaSアプリケーションとの連携を容易にするSSO機能や、多要素認証(MFA)や条件付きアクセスなどの高度なセキュリティ機能を提供します。
最適な使い分けは、組織のニーズや環境によって異なります。一般的に、オンプレミスADは、社内ネットワークに接続されたデバイスやアプリケーションへのアクセス管理に、Azure ADは、クラウドサービスへのアクセス管理に、というように、それぞれの特性を活かした使い分けが推奨されます。また、Microsoft Entra IDの高度なセキュリティ機能を活用することで、クラウド環境におけるセキュリティを強化することができます。
ハイブリッド環境では、オンプレミスADとAzure ADを連携させることで、ユーザーは、オンプレミスADで使用しているのと同じ資格情報を使用して、クラウドサービスにアクセスできます。これにより、ユーザーエクスペリエンスを向上させるとともに、ID管理の複雑さを軽減できます。
Microsoft Entra IDの主要機能と活用事例
多要素認証(MFA)によるセキュリティ強化
多要素認証(MFA)は、パスワードに加えて、スマートフォンアプリや生体認証などの追加の認証要素を要求することで、不正アクセスを防止する機能です。Microsoft Entra IDでは、MFAを容易に導入でき、セキュリティレベルを大幅に向上させることができます。
MFAは、パスワードだけでは防ぐことができない、パスワード漏洩やフィッシング攻撃などの脅威からアカウントを保護するための強力な手段です。MFAを有効にすると、攻撃者がパスワードを入手したとしても、追加の認証要素がない限り、アカウントにアクセスすることはできません。Microsoft Entra IDでは、MicrosoftAuthenticatorアプリ、SMS、電話、ハードウェアトークンなど、さまざまな認証方法をサポートしています。
Microsoft Entra IDのMFAは、条件付きアクセスと連携して、より柔軟なセキュリティポリシーを適用できます。例えば、社内ネットワークからのアクセスにはMFAを要求せず、社外ネットワークからのアクセスにはMFAを要求する、といった設定が可能です。また、リスクベースのアクセス制御と連携して、異常なアクティビティが検出された場合にのみMFAを要求する、といった設定も可能です。
MFAの導入は、セキュリティレベルを大幅に向上させるだけでなく、コンプライアンス要件を満たすためにも重要です。多くの業界や規制機関が、MFAの導入を推奨または義務付けています。Microsoft Entra IDを使用すると、MFAを容易に導入し、コンプライアンス要件を満たすことができます。
条件付きアクセスによる柔軟なアクセス制御
条件付きアクセスは、ユーザーの場所、デバイス、アプリケーションなどの条件に基づいて、アクセスを制御する機能です。例えば、社内ネットワークからのアクセスは許可し、社外ネットワークからのアクセスはMFAを必須にする、といった柔軟なアクセス制御が可能です。
条件付きアクセスを使用すると、組織は、ユーザーの状況に応じて、適切なレベルのセキュリティを適用できます。例えば、リスクの高い場所からのアクセスにはMFAを要求し、安全なデバイスからのアクセスにはMFAを要求しない、といった設定が可能です。また、特定のアプリケーションへのアクセスを特定のユーザーグループに制限する、といった設定も可能です。
Microsoft Entra IDの条件付きアクセスは、さまざまな条件をサポートしています。例えば、ユーザーの場所、デバイスの種類、デバイスの状態、アプリケーション、リスクレベルなどです。これらの条件を組み合わせて、組織のニーズに合わせたアクセス制御ポリシーを作成できます。
条件付きアクセスは、セキュリティレベルを向上させるだけでなく、ユーザーエクスペリエンスを向上させるためにも重要です。例えば、ユーザーが社内ネットワークからアクセスしている場合、MFAを要求しないことで、ユーザーはスムーズにアプリケーションにアクセスできます。一方、ユーザーが社外ネットワークからアクセスしている場合、MFAを要求することで、セキュリティを確保できます。
条件付きアクセスは、組織がセキュリティとユーザーエクスペリエンスのバランスを取りながら、クラウドサービスを安全に利用できるように支援します。
シングルサインオン(SSO)による利便性向上
シングルサインオン(SSO)は、一度の認証で複数のアプリケーションにアクセスできる機能です。EntraIDでは、多くのSaaSアプリケーションとのSSO連携をサポートしており、ユーザーの利便性を向上させることができます。また、ID管理者の負担も軽減されます。
SSOを使用すると、ユーザーは、複数のアプリケーションに対して、異なるユーザー名とパスワードを覚える必要がありません。ユーザーは、一度認証を受けるだけで、すべてのアプリケーションにシームレスにアクセスできます。これにより、ユーザーエクスペリエンスが向上し、生産性が向上します。
Microsoft Entra IDは、SAML、OAuth、OpenID Connectなどの業界標準のSSOプロトコルをサポートしています。Microsoft Entra IDは、Salesforce、ServiceNow、Workdayなどの多くの一般的なSaaSアプリケーションとのSSO連携をサポートしています。また、Microsoft Entra IDは、カスタムアプリケーションとのSSO連携もサポートしています。
SSOは、ユーザーの利便性を向上させるだけでなく、セキュリティレベルを向上させるためにも重要です。SSOを使用すると、ユーザーは、強力なパスワードを使用し、定期的にパスワードを変更する必要があります。また、SSOは、中央集中型の認証システムを提供し、セキュリティポリシーを一元的に適用できます。
SSOは、組織がユーザーエクスペリエンスを向上させ、セキュリティレベルを向上させながら、クラウドサービスを安全に利用できるように支援します。
Microsoft 365との連携
Microsoft 365の認証基盤としてMicrosoft Entra IDを使用することで、ExchangeOnline、SharePointOnline、Teamsなどのサービスへのアクセスを安全かつ容易に管理できます。
Microsoft Entra IDは、Microsoft365のID管理基盤として、シームレスな統合を提供します。Microsoft 365のユーザーアカウントは、Microsoft Entra IDで管理され、Microsoft Entra IDのセキュリティポリシー(例えば、MFAや条件付きアクセス)がMicrosoft365のアプリケーションに適用されます。これにより、組織は、Microsoft365のアプリケーションへのアクセスを安全かつ容易に管理できます。
Microsoft Entra IDは、Microsoft365のシングルサインオン(SSO)もサポートしています。Microsoft 365のユーザーは、一度認証を受けるだけで、ExchangeOnline、SharePoint Online、TeamsなどのすべてのMicrosoft365アプリケーションにシームレスにアクセスできます。これにより、ユーザーエクスペリエンスが向上し、生産性が向上します。
Microsoft Entra IDは、Microsoft 365の高度なセキュリティ機能(例えば、Azure AD Identity ProtectionやAzure AD Privileged Identity Management)も提供します。これらの機能を使用すると、組織は、Microsoft365のセキュリティを強化し、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを軽減できます。
Microsoft Entra IDは、Microsoft365との緊密な連携により、組織がMicrosoft 365のアプリケーションを安全かつ効率的に利用できるように支援します。
Microsoft Entra IDの導入と移行
導入ステップ:ハイブリッド構成からの移行
Microsoft Entra IDへの移行は、オンプレミスADとのハイブリッド構成から始めるのが一般的です。Azure AD Connectを使用して、オンプレミスADのID情報をAzure ADに同期し、段階的にクラウド環境への移行を進めます。
ハイブリッド構成は、オンプレミスADとAzure ADを共存させる構成であり、組織は、オンプレミスADの既存の投資を維持しながら、クラウドサービスの利用を開始できます。ハイブリッド構成では、Azure AD Connectを使用して、オンプレミスADのID情報をAzureADに同期します。これにより、ユーザーは、オンプレミスADで使用しているのと同じ資格情報を使用して、クラウドサービスにアクセスできます。
Microsoft Entra IDへの移行は、段階的に進めることが推奨されます。まず、一部のユーザーやアプリケーションをAzureADに移行し、移行のプロセスや潜在的な問題を理解します。次に、より多くのユーザーやアプリケーションをAzure ADに移行し、最終的に、すべてのユーザーとアプリケーションをAzure ADに移行します。
ハイブリッド構成からの移行は、組織のニーズや環境によって異なります。一般的に、組織は、最初に、クラウドネイティブなアプリケーションや、オンプレミスADとの依存関係が少ないアプリケーションをAzure ADに移行します。次に、オンプレミスADとの依存関係が強いアプリケーションをAzure ADに移行します。最後に、オンプレミスADを完全に廃止し、すべてのID管理をAzureADで行います。
ハイブリッド構成からの移行は、組織がクラウドサービスの利用を拡大し、Microsoft Entra IDの高度なセキュリティ機能や管理機能を活用できるように支援します。
移行時の注意点:既存環境への影響を最小限に
Microsoft Entra IDへの移行時には、既存のオンプレミス環境への影響を最小限に抑えることが重要です。事前に十分な計画を立て、テスト環境で検証を行い、問題がないことを確認してから本番環境への移行を進めるようにしましょう。
移行計画では、移行の範囲、スケジュール、およびリソースを明確に定義する必要があります。また、移行のプロセスや潜在的な問題について、関係者とのコミュニケーションを密に行う必要があります。テスト環境では、移行のプロセスを検証し、潜在的な問題を特定し、解決策を策定します。テスト環境は、本番環境とできるだけ同じ構成にする必要があります。
本番環境への移行は、慎重に進める必要があります。まず、一部のユーザーやアプリケーションを移行し、移行のプロセスや潜在的な問題を監視します。次に、より多くのユーザーやアプリケーションを移行し、最終的に、すべてのユーザーとアプリケーションを移行します。移行後も、既存のオンプレミス環境への影響を監視し、必要に応じて、問題を解決します。
移行時には、ユーザーへの影響を最小限に抑えることが重要です。ユーザーに対して、移行のスケジュールやプロセスについて事前に通知し、移行後のサポート体制を整えます。また、ユーザーが移行後に問題が発生した場合に、迅速に対応できるように、ヘルプデスクの準備を整えます。
Microsoft Entra IDへの移行は、組織のID管理を強化し、クラウドサービスの利用を拡大するための重要なステップですが、慎重に進める必要があります。
まとめ
AzureADからMicrosoft Entra IDへの移行は、クラウド時代のID管理を強化する上で重要なステップです。オンプレミスADとの連携や、Microsoft Entra IDの高度なセキュリティ機能を活用することで、より安全で効率的なID管理を実現できます。Microsoft365と連携してLANSCOPEセキュリティオーディットを活用することで情報漏洩事故を防ぐことも可能です。ぜひ、Microsoft Entra IDの導入を検討し、クラウド環境におけるセキュリティ体制を強化しましょう。
Microsoft Entra IDは、Azure ADの進化版として、より包括的なID管理機能を提供します。Microsoft Entra IDを使用すると、組織は、オンプレミスAD、Azure AD、およびその他のIDプロバイダーとの連携をサポートし、IDの一元管理を実現できます。これにより、セキュリティリスクを軽減し、コンプライアンス要件を満たすことができます。また、Microsoft Entra IDは、セルフサービス機能を提供し、管理者の負担を軽減し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
Microsoft Entra IDの高度なセキュリティ機能(例えば、MFAや条件付きアクセス)を活用することで、クラウド環境におけるセキュリティを強化することができます。MFAは、パスワードだけでは防ぐことができない、パスワード漏洩やフィッシング攻撃などの脅威からアカウントを保護するための強力な手段です。条件付きアクセスを使用すると、組織は、ユーザーの状況に応じて、適切なレベルのセキュリティを適用できます。
Microsoft Entra IDへの移行は、組織のID管理を強化し、クラウドサービスの利用を拡大するための重要なステップです。NTT東日本では、Microsoft Entra IDの導入から運用までをトータルでサポートするサービスを提供しており、お客様の環境に最適なソリューションをご提案し、スムーズな移行を支援します。ぜひ、Microsoft Entra IDの導入を検討し、クラウド環境におけるセキュリティ体制を強化しましょう。
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