Wi-Fiが遅い・切れる?現場で役立つAP設定と電波トラブル解決法

コラム

本コラムは、中小企業の情報システム担当者向けに、日々発生するITトラブルや障害に対して「まず何を確認すべきか」「どこまで切り分ければよいのか」を体系的に解説する『中小企業のためのIT障害対応 実践シリーズ』の第5回です。
Wi-Fiの速度低下や接続不良は、現代のビジネスや日常生活において大きなストレスの原因となります。本記事では、Wi-Fi環境における「遅い」「切れる」といった現場でよくある問題に対し、AP(アクセスポイント)の設定見直しや電波干渉の解決といった具体的なアプローチで対応策を解説します。MACアドレスフィルタリング、ローミング時のトラブルシューティング、そして5GHz帯と2.4GHz帯の使い分けまで、現場で役立つ実践的な知識をお届けします。

目次

Wi-Fiが遅い・切れる原因を特定する

Wi-Fiの速度が遅くなったり、頻繁に接続が切断されたりする問題は、現代社会において大きなストレスの源です。仕事、学習、エンターテイメントなど、あらゆる活動がインターネット接続に依存しているため、Wi-Fi環境の安定性は非常に重要です。この問題を解決するためには、まず原因を特定することが不可欠です。
考えられる原因は多岐にわたります。電波干渉、AP(アクセスポイント)の設置場所、同時接続デバイス数、APの設定、セキュリティ設定など、様々な要因がWi-Fiのパフォーマンスに影響を与えます。これらの要因を一つずつ検証し、問題を特定していく必要があります。
この記事では、Wi-Fiが遅い・切れる原因を特定し、AP設定の見直しや電波トラブルの解決方法、MACアドレスフィルタリングの適切な運用など、具体的な対策を紹介します。これらの対策を講じることで、より快適なWi-Fi環境を実現することができます。Wi-Fiの速度低下や接続不良に悩まされている方は、ぜひ参考にしてください。

電波干渉のチェック:身の回りの電波源

Wi-Fiの電波は、他の電波を発する機器からの干渉を受けやすいという性質があります。特に、電子レンジやBluetooth機器、コードレス電話などは、Wi-Fiと同じ2.4GHz帯の電波を使用しているため、電波干渉の原因となりやすいです。これらの機器がWi-Fiルーターの近くにある場合、Wi-Fiの速度が低下したり、接続が不安定になったりすることがあります。
電波干渉をチェックするためには、まず、Wi-Fiルーターの近くにある電波を発する機器を特定します。次に、これらの機器の電源を切るか、Wi-Fiルーターから遠ざけて、Wi-Fiの速度が改善されるかどうかを確認します。もし、速度が改善された場合は、その機器が電波干渉の原因であった可能性が高いです。
電波干渉が確認された場合は、Wi-Fiルーターのチャンネルを変更したり、5GHz帯のWi-Fiを使用したりすることで、電波干渉を軽減することができます。

APの設置場所:最適な場所を見つける

AP(アクセスポイント)の設置場所は、Wi-Fiの電波の届きやすさに大きく影響します。APを設置する際には、できるだけ障害物の少ない、見通しの良い場所を選ぶことが重要です。壁や家具、金属製の物体などは、電波を遮断したり、反射させたりする性質があるため、APの近くに置くと、電波の届きが悪くなることがあります。
APを設置する高さも重要です。一般的には、床から1〜2メートルの高さに設置するのが最適とされています。APを低い場所に設置すると、床や家具などに電波が遮られて、電波の届きが悪くなることがあります。
APの設置場所を検討する際には、Wi-Fiを使用する場所を考慮することも重要です。Wi-Fiを使用する場所の中心にAPを設置することで、より広い範囲に安定した電波を届けることができます。

同時接続デバイス数:ルーターの処理能力

Wi-Fiルーターには、同時接続可能なデバイス数に上限があります。多くのデバイスが同時に接続している場合、ルーターの処理能力が限界に達し、Wi-Fiの速度が低下したり、接続が不安定になったりすることがあります。特に、動画ストリーミングやオンラインゲームなど、多くのデータ通信を必要とするデバイスが同時に接続している場合は、速度低下が顕著になることがあります。
同時接続デバイス数を確認するには、ルーターの設定画面にアクセスします。設定画面には、現在接続されているデバイスの一覧が表示されているはずです。もし、同時接続デバイス数がルーターの推奨値を超えている場合は、不要なデバイスの接続を解除するか、より高性能なルーターへの交換を検討する必要があります。
また、ルーターのファームウェアを最新の状態に保つことも重要です。最新のファームウェアには、パフォーマンスの改善やセキュリティの強化が含まれていることがあります。

AP設定の見直し:基本設定と応用

Wi-Fiルーターの設定は、初期設定のまま使用している方が多いかもしれません。しかし、Wi-Fiのパフォーマンスを最大限に引き出すためには、AP(アクセスポイント)の設定を見直すことが重要です。適切な設定を行うことで、Wi-Fiの速度を向上させたり、安定性を高めたりすることができます。
AP設定の見直しでは、まず、基本的な設定項目を確認します。SSID(ネットワーク名)やパスワード、セキュリティ設定などが適切に設定されているかを確認しましょう。次に、より高度な設定項目を見直します。チャンネル設定や周波数帯の選択、QoS(QualityofService)設定などを最適化することで、Wi-Fiのパフォーマンスをさらに向上させることができます。
この記事では、AP設定の見直しにおける基本的な設定項目と応用的な設定項目について解説します。これらの設定を理解し、最適化することで、より快適なWi-Fi環境を実現することができます。

チャンネル設定:最適なチャンネルを選ぶ

Wi-Fiルーターは、複数のチャンネルを使用して電波を送信しています。チャンネルが混雑している場合、Wi-Fiの速度が低下したり、接続が不安定になったりすることがあります。そのため、Wi-Fiルーターのチャンネル設定は、Wi-Fiのパフォーマンスに大きな影響を与えます。
最適なチャンネルを選ぶためには、まず、周囲のWi-Fiルーターがどのチャンネルを使用しているかを確認します。Wi-Fiアナライザーなどのツールを使用すると、周囲のWi-Fiルーターのチャンネル状況を可視化することができます。混雑しているチャンネルを避け、より空いているチャンネルを選択することで、Wi-Fiの速度を改善することができます。
一般的に、2.4GHz帯のWi-Fiルーターでは、1チャンネル、6チャンネル、11チャンネルがよく使用されます。これらのチャンネルは、互いに干渉しにくいように設計されています。しかし、これらのチャンネルも、周囲の環境によっては混雑していることがあります。そのため、Wi-Fiアナライザーを使用して、最適なチャンネルを選択することが重要です。

周波数帯の選択:2.4GHzと5GHzの使い分け

Wi-Fiルーターは、2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯を使用することができます。それぞれの周波数帯には、メリットとデメリットがあります。2.4GHz帯は、広範囲に電波が届きやすいというメリットがありますが、電波干渉を受けやすいというデメリットがあります。一方、5GHz帯は、電波干渉を受けにくいというメリットがありますが、障害物に弱いというデメリットがあります。
そのため、用途に応じて周波数帯を使い分けることが重要です。例えば、リビングなど、広い範囲でWi-Fiを使用する場合は、2.4GHz帯を使用します。一方、書斎など、特定の場所でWi-Fiを使用する場合は、5GHz帯を使用します。また、オンラインゲームや動画ストリーミングなど、高速なデータ通信を必要とする場合は、5GHz帯を使用することをおすすめします。
Wi-Fiルーターの設定画面で、2.4GHz帯と5GHz帯のSSIDを別々に設定することができます。これにより、デバイスごとに最適な周波数帯を選択して接続することができます。

セキュリティ設定:WPA3の導入

Wi-Fiルーターのセキュリティ設定は、Wi-Fiネットワークを不正アクセスから保護するために非常に重要です。古い規格のWEPやWPAは、セキュリティが脆弱であるため、使用を避けるべきです。より安全なWPA3を導入することで、セキュリティを強化し、ネットワークの安定性を向上させることができます。
WPA3は、WPA2に比べて、より強力な暗号化方式を採用しています。これにより、パスワードが解析されにくくなり、不正アクセスを防ぐことができます。また、WPA3は、オープンなWi-Fiネットワークでも、より安全な通信を可能にする機能も備えています。
Wi-Fiルーターの設定画面で、セキュリティ設定をWPA3に変更することができます。ただし、WPA3に対応していないデバイスもあるため、注意が必要です。WPA3に対応していないデバイスは、WPA2で接続する必要があります。

電波トラブル解決:現場で役立つテクニック

Wi-Fiの電波トラブルは、様々な原因によって発生します。電波干渉、APの設置場所、同時接続デバイス数、APの設定、セキュリティ設定など、様々な要因がWi-Fiのパフォーマンスに影響を与えます。これらの要因を一つずつ検証し、問題を特定していく必要があります。
この記事では、現場で役立つ電波トラブル解決テクニックを紹介します。pingコマンドを使用した疎通確認、Wi-Fiアナライザーを使用した電波状況の可視化、APやルーターの再起動など、具体的な対策を解説します。これらのテクニックを習得することで、Wi-Fiの電波トラブルを迅速に解決し、快適なWi-Fi環境を維持することができます。

pingコマンド:疎通確認の基本

pingコマンドは、ネットワークの疎通を確認するための基本的なツールです。pingコマンドを使用すると、特定のIPアドレスやホスト名に対して、データパケットを送信し、応答があるかどうかを確認することができます。応答があれば、ネットワークが正常に接続されていることを意味します。応答がない場合は、ネットワークに問題がある可能性があります。
pingコマンドは、コマンドプロンプトやターミナルから実行することができます。例えば、GoogleのDNSサーバー(8.8.8.8)に対してpingを実行するには、次のように入力します。

ping 8.8.8.8

pingコマンドを実行すると、応答時間やパケットロス率などの情報が表示されます。応答時間が短いほど、ネットワークの速度が速いことを意味します。パケットロス率が高い場合は、ネットワークに問題がある可能性があります。

Wi-Fiアナライザー:電波状況の可視化

Wi-Fiアナライザーは、周囲のWi-Fi電波の状況を可視化するためのツールです。Wi-Fiアナライザーを使用すると、周囲のWi-Fiルーターのチャンネル、強度、セキュリティ設定などの情報を確認することができます。これらの情報を分析することで、電波干渉の原因となっているAPを特定したり、最適なチャンネルを見つけたりするのに役立ちます。
Wi-Fiアナライザーは、スマートフォンやパソコンで使用することができます。AppStoreやGooglePlayで「Wi-Fiアナライザー」と検索すると、様々な種類のWi-Fiアナライザーアプリが見つかります。パソコンで使用する場合は、専用のソフトウェアをインストールする必要があります。
Wi-Fiアナライザーを使用する際には、Wi-Fiルーターの近くで測定するだけでなく、Wi-Fiを使用する場所でも測定することが重要です。これにより、Wi-Fiの電波が届きにくい場所や、電波干渉が発生しやすい場所を特定することができます。

再起動:意外と効果的な応急処置

Wi-Fiの調子が悪いとき、まず試してほしいのがAP(アクセスポイント)やルーターの再起動です。意外に思われるかもしれませんが、再起動は多くの問題を解決する効果的な応急処置です。APやルーターは、長時間稼働していると、一時的なエラーや不具合が発生することがあります。再起動することで、これらのエラーや不具合を解消し、パフォーマンスを回復させることができます。
APやルーターの再起動は、電源を切って、数分待ってから再度電源を入れるだけで完了します。定期的に再起動することで、パフォーマンスの低下を防ぐことができます。例えば、月に一度など、定期的に再起動することをおすすめします。
また、ファームウェアのアップデートも、APやルーターのパフォーマンスを向上させる効果があります。ファームウェアのアップデートは、Wi-Fiルーターの設定画面から行うことができます。

MACアドレスフィルタリングの適切な運用

MACアドレスフィルタリングは、Wi-Fiネットワークのセキュリティを強化するための有効な手段の一つです。しかし、設定を誤ると、意図しないデバイスが接続できなくなるなどのトラブルが発生する可能性があります。ここでは、MACアドレスフィルタリングの仕組みを理解し、適切に運用するための注意点、そしてトラブルが発生した場合の対処法について解説します。MACアドレスフィルタリングを正しく理解し、安全かつ快適なWi-Fi環境を構築しましょう。
特に、家庭内で複数のデバイスを利用する場合や、オフィス環境で特定のデバイスのみWi-Fi接続を許可したい場合に、MACアドレスフィルタリングは非常に役立ちます。しかし、設定変更時には慎重を期し、十分なテストを行うことが重要です。

MACアドレスフィルタリングとは

MACアドレスフィルタリングは、Wi-Fiルーターに登録されたMACアドレスを持つデバイスのみWi-Fi接続を許可する機能です。MACアドレスとは、ネットワークインターフェースカード(NIC)に固有の識別番号であり、通常、製造時に割り当てられます。この機能を有効にすると、許可されていないMACアドレスを持つデバイスからの接続試行は拒否されるため、不正なアクセスを防ぐことができます。
MACアドレスフィルタリングは、SSIDとパスワードによる認証に加えて、より強固なセキュリティ層を提供します。ただし、MACアドレスは比較的簡単に詐称できるため、完全なセキュリティ対策とは言えません。あくまで多層防御の一部として捉えることが重要です。

設定時の注意点

MACアドレスフィルタリングを設定する際には、いくつかの注意点があります。まず、接続を許可するすべてのデバイスのMACアドレスを正確に収集し、ルーターに登録する必要があります。MACアドレスは、デバイスの設定画面やネットワーク設定から確認できます。
また、新しいデバイスを追加する際には、MACアドレスの登録を忘れないようにしましょう。登録漏れがあると、そのデバイスはWi-Fiに接続できなくなります。MACアドレスフィルタリングを有効にする前に、すべてのデバイスが正常に接続できることを確認することを強く推奨します。設定変更後は、必ず接続テストを行い、問題がないことを確認してください。

トラブルシューティング

MACアドレスフィルタリングを設定後に、デバイスがWi-Fiに接続できなくなった場合は、以下の手順でトラブルシューティングを行います。まず、デバイスのMACアドレスがルーターに正しく登録されているかを確認します。入力ミスがないか、大文字と小文字が区別されているかなどを確認しましょう。

次に、一時的にMACアドレスフィルタリングを無効にして、接続できるか試してみます。もし接続できるようになった場合は、MACアドレスフィルタリングの設定に問題があることがわかります。最後に、ルーターのファームウェアが最新版であることを確認してください。古いファームウェアにはバグが含まれている可能性があり、正常に動作しないことがあります。

まとめ:Wi-Fi環境改善のために

Wi-Fi環境の改善は、日々の生活や業務効率を向上させるために不可欠です。Wi-Fiの速度低下や接続不良の原因は多岐にわたりますが、本記事で紹介したAP設定の見直し、電波干渉の解決、MACアドレスフィルタリングの適切な運用といった対策を講じることで、より快適なWi-Fi環境を実現することができます。定期的なメンテナンスとトラブルシューティングを心掛け、常に最適なWi-Fi環境を維持しましょう。
Wi-Fiルーターの性能向上や、最新技術の導入も、Wi-Fi環境改善に貢献します。例えば、Wi-Fi6(IEEE802.11ax)対応ルーターは、従来のWi-Fi規格よりも高速で安定した通信を提供します。また、メッシュWi-Fiシステムは、広範囲に安定したWi-Fi環境を構築するのに役立ちます。
最後に、Wi-Fi環境は常に変化するため、定期的な見直しが必要です。新しいデバイスの追加や、周囲の電波環境の変化など、様々な要因がWi-Fiのパフォーマンスに影響を与えます。定期的なメンテナンスとトラブルシューティングを心掛け、常に最適なWi-Fi環境を維持しましょう。

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